Last Updated on 2025年10月14日 by わかる先生
横浜市鶴見区に位置する聖ヨゼフ学園高等学校は、少人数制のカトリック校として知られています。2023年から男女共学化され、さらに同年には上智大学との高大連携協定を締結するなど、新しい時代に向けて大きく変化している学校です。
この記事では、受験生や保護者の皆さんが本当に知りたい情報を、偏差値や学費、リアルな学校生活の様子から進学実績まで、経験豊富な教育アドバイザーの視点から徹底的に解説します。
受験を検討されている方は、ぜひ最後までご覧ください。
聖ヨゼフ学園高等学校の基本情報
ここでは学校の基礎的な情報をご紹介します。アクセスや教育理念など、学校選びの第一歩となる重要な情報をまとめました。
学校概要とアクセス
聖ヨゼフ学園高等学校は、神奈川県横浜市鶴見区東寺尾北台11-1に所在する私立の中高一貫校です。1960年に開校し、長年女子校として運営されてきましたが、2023年4月より高等学校も男女共学化されました。
学校へのアクセスは以下の通りです。
- JR鶴見線・京浜東北線・京急本線「鶴見駅」から徒歩15分、またはバスで5分
- JR横浜線・東急東横線「菊名駅」からバスで15分
- 東急東横線「綱島駅」からバスで20分
鶴見駅からバスを利用する場合、「二本木聖ヨゼフ学園前」バス停で下車し、そこから徒歩3分という便利な立地です。複数の路線からアクセスできるため、横浜市内だけでなく川崎市や東京都からの通学も可能です。
学校は丘の上に位置し、緑豊かで静かな環境が整っています。都心へのアクセスも良好でありながら、落ち着いた雰囲気の中で学習に集中できる環境です。
教育理念とカトリック精神
聖ヨゼフ学園は、カトリックのアトンメント会を母体とする学校です。校訓は「信・望・愛」で、教育目標として「よく学び努力する人、知恵のある人」「いのちを喜び、感謝と奉仕の心を持って生きる人」の育成を掲げています。
毎日の学校生活は朝のお祈りから始まり、修養会やクリスマスミサなどの宗教行事を通じて、豊かな人間性を育む教育が行われています。カトリック精神に基づく教育は、単なる知識の習得だけでなく、他者への思いやりや社会への貢献を重視しています。
また、学校法人白百合学園の姉妹校として、白百合女子大学への推薦枠(人数制限なし)があり、白百合学園との交流行事にも参加しています。さらに、2023年に上智大学と高大連携協定を締結したことで、上智大学での講義参加などの機会も設けられています。
カトリック校ならではの国際的な視野と、一人ひとりを大切にする教育姿勢が、聖ヨゼフ学園の大きな特徴です。
偏差値と入試情報
受験を検討する上で最も気になるのが偏差値と入試の情報です。ここでは最新のデータに基づいて詳しく解説します。
最新偏差値データ
聖ヨゼフ学園高等学校の偏差値は52(2024年度データ)となっています。普通科には3つのコースがあり、いずれも同じ偏差値帯です。
コース別の特徴
コース名 | 偏差値 | 特徴 |
---|---|---|
総合進学コース | 52 | 文系・理系を問わず、少人数制を生かした進路指導 |
AEコース | 52 | 英語力強化に特化したカリキュラム |
ILコース | 52 | 社会問題に取り組む探究型学習 |
神奈川県内の私立高校としては中堅レベルに位置しており、基礎学力がしっかりしていれば十分に合格を狙えるレベルです。中高一貫校のため、高校からの募集人数は限られていますが、外部からの入学も受け入れています。
偏差値だけでなく、学校の教育方針や雰囲気が自分に合っているかどうかも重要な判断基準です。少人数制の環境で先生との距離が近い学校を希望する方には、特におすすめの学校といえるでしょう。
入試制度と対策方法
聖ヨゼフ学園高等学校の入試は、一般入試と推薦入試の2種類があります。
一般入試の特徴
- 試験科目:国語・数学・英語の3科目
- 面接:個人面接あり
- 調査書:内申点も合否判定に使用
推薦入試の特徴
- 出願資格:中学校長の推薦が必要
- 試験内容:面接と作文
- 内申基準:学校指定の基準あり
受験対策のポイント
基礎学力の定着が最も重要です。特に国語の読解力と数学の計算力は、日頃からコツコツと練習を積み重ねる必要があります。英語は長文読解だけでなく、リスニングや英作文の対策も行いましょう。
塾や予備校では、臨海セミナーや湘南ゼミナールなどの地域密着型の塾で、聖ヨゼフ学園の入試対策を行っています。過去問演習を繰り返し、時間配分に慣れておくことも大切です。
面接では、志望動機や中学校での活動内容、高校で取り組みたいことなどが聞かれます。カトリック校としての特色を理解し、自分の言葉で答えられるよう準備しておきましょう。
学費と奨学金制度
私立高校を選ぶ際に、学費は保護者にとって大きな関心事です。ここでは詳細な費用と、利用できる支援制度をご紹介します。
3年間の学費総額
聖ヨゼフ学園高等学校の学費は以下の通りです。
初年度納入金(目安)
項目 | 金額 |
---|---|
入学金 | 140,000円 |
授業料(年額) | 324,000円 |
施設設備維持費等 | 約250,000円 |
教育振興費・教材費 | 約100,000円 |
初年度合計 | 約814,000円 |
2・3年次の年間費用
- 授業料:324,000円
- 施設設備維持費等:約250,000円
- 教育振興費・教材費:約100,000円
- 年間合計:約674,000円
3年間の総額
初年度約81万円+2年次約67万円+3年次約67万円=約215万円
上記に加えて、制服代(約9万円)や指定品代(約3万4千円)、修学旅行積立金などの費用が別途必要になります。また、部活動に所属する場合は、活動費や用具代なども必要です。
神奈川県内の私立高校の平均的な学費と比較すると、ほぼ標準的な水準といえます。少人数制のきめ細かい指導を考えると、コストパフォーマンスは良いといえるでしょう。
利用可能な奨学金と支援制度
学費の負担を軽減するための制度が複数用意されています。
神奈川県の私立高校生向け支援制度
- 私立高校等学費補助金:年収約590万円未満の世帯を対象に、授業料の全額または一部を補助
- 高等学校等就学支援金:国の制度で、年収目安約910万円未満の世帯が対象
学校独自の奨学金制度
学校側にも独自の奨学金制度がある場合があります。詳細は学校説明会や個別相談で確認することをおすすめします。
また、日本学生支援機構の予約奨学金制度も利用できます。高校3年生になったら大学進学に向けた奨学金の申請も視野に入れておくとよいでしょう。
経済的な理由で進学をあきらめる必要はありません。様々な支援制度を活用することで、学費の負担を大きく軽減することができます。
リアルな学校生活
実際に通う生徒たちの声から、聖ヨゼフ学園の日常を見ていきましょう。
校則と生徒の雰囲気
聖ヨゼフ学園の校則については、在校生からの口コミによると「以前は厳しかったが、最近は徐々に緩和されてきている」という声があります。
主な校則の内容
- 制服の着こなし規定
- 携帯電話の使用ルール(校内での使用制限あり)
- アルバイトは原則禁止
- 髪型や髪色に関する規定
カトリック校として一定の規律は求められますが、生徒の自主性を尊重する姿勢もあります。校則については、入学前に学校説明会で詳しく確認することをおすすめします。
生徒の雰囲気について、口コミサイトでは以下のような声が見られます。
「少人数教育なので、先生と生徒の距離が近く、とても親しみやすいです。授業中の先生のお話も面白く、充実した学校生活が送れると思います」(在校生の声)
「とても伸び伸びと過ごさせてもらい、たくさんの経験ができました。少人数なのでほぼ全員が委員会や部活で役職に就いています」(卒業生の声)
学年2クラスという小規模な環境のため、アットホームで温かい雰囲気が特徴です。いじめなどのトラブルも少なく、安心して学校生活を送れる環境が整っているといえます。
年間行事と部活動
聖ヨゼフ学園では、カトリック校ならではの宗教行事と、一般的な学校行事の両方が充実しています。
主な年間行事
- 4月:入学式、オリエンテーション合宿
- 5月:体育祭
- 6月:修養会(宗教行事)
- 9月:文化祭(ヨゼフ祭)
- 11月:芸術鑑賞会
- 12月:クリスマスミサ
- 3月:卒業式
部活動の種類
運動部と文化部を合わせて約16のクラブがあり、部活動加入率は非常に高くなっています。
主な運動部
- バドミントン部
- バスケットボール部
- バレーボール部
- テニス部
主な文化部
- 演劇部
- 合唱部
- 美術部
- 茶道部、華道部、筝曲部(課外活動)
特にバドミントン部やバスケットボール部は、公式戦だけでなく「姉妹校球技大会」や「関東地区カトリック校女子球技大会」にも出場しています。文化部も学園祭での発表や「姉妹校英語のつどい」などの交流イベントに積極的に参加しています。
少人数校ならではの特徴として、ほぼ全員が何らかの委員会や部活動で役職を担うため、リーダーシップを育む機会が豊富にあります。
進学実績と進路指導
大学進学を考える上で、進学実績と進路指導の内容は非常に重要です。
大学合格実績
聖ヨゼフ学園高等学校の進学実績(2024年度データ)は以下の通りです。
主な合格大学
- 上智大学:5名
- 関東学院大学:6名
- 日本大学:4名
- その他、東洋英和女学院大学、立教大学、白百合女子大学、早稲田大学、明治学院大学、慶應義塾大学、中央大学、神奈川大学、明治大学、青山学院大学など
卒業生の進路は四年制大学、短期大学、専門学校、留学など多岐にわたり、文系から理系まであらゆる分野に進学しています。
特筆すべきは、白百合女子大学への推薦枠(人数制限なし)があることと、2023年に上智大学と高大連携協定を締結したことです。これにより、上智大学への進学ルートがより明確になりました。
早慶上智やMARCHといった難関私大への合格者も一定数おり、少人数制の個別指導の成果が現れているといえます。
進路指導の特徴
聖ヨゼフ学園の進路指導は、一人ひとりに寄り添った個別対応が最大の特徴です。
進路指導の具体的な取り組み
- 個別面談の充実
各学年で定期的に進路面談を実施し、生徒の希望や適性に応じた進路選択をサポートします。 - 補習授業の実施
希望者や必要な生徒に対して、放課後や長期休暇中に補習授業を実施しています。 - 大学見学・オープンキャンパス参加
上智大学をはじめ、様々な大学のオープンキャンパスへの参加を推奨しています。 - 推薦入試対策
小論文指導や面接練習など、推薦入試に特化した対策も行っています。
少人数制のため、生徒一人ひとりの学習状況や進路希望を教員がしっかり把握できるのが強みです。「頑張っている子はしっかりと見ていてくださる」という卒業生の声もあり、努力が報われる環境といえるでしょう。
併願校の選び方
聖ヨゼフ学園を受験する際の併願校選びについてアドバイスします。
おすすめの併願パターン
私立高校の併願校
- アレセイア湘南高等学校(偏差値44-50):同じくキリスト教系の学校
- 横浜創学館高等学校(偏差値41-52):横浜市内で通いやすい
- 神奈川学園高等学校:女子校として伝統がある
公立高校との併願パターン
聖ヨゼフ学園を私立第一志望とし、公立高校を併願する場合:
- 住吉高等学校(偏差値54)
- 大和西高等学校(偏差値54)
- 荏田高等学校(偏差値52)
併願校を選ぶ際は、偏差値だけでなく、学校の教育方針や通学時間、学費なども総合的に考慮しましょう。特に、カトリック校としての聖ヨゼフ学園の教育理念に共感している場合は、同じキリスト教系の学校を併願校に選ぶと、いずれに進学しても違和感が少ないでしょう。
よくある質問Q&A
受験生や保護者の方からよく寄せられる質問にお答えします。
Q1. 中学からの内部進学生と高校から入学する外部生の関係は?
A. 少人数制のため、内部生と外部生の区別なく溶け込みやすい環境です。クラスも混合編成となり、すぐに打ち解けられます。
Q2. カトリック信者でなくても入学できますか?
A. はい、可能です。信者でない生徒も多数在籍しており、宗教行事への参加は求められますが、改宗を強制されることはありません。
Q3. 部活動と勉強の両立は可能ですか?
A. 多くの生徒が両立しています。少人数制のため、先生が個別の状況を把握してサポートしてくれます。
Q4. 大学の指定校推薦はありますか?
A. 白百合女子大学への推薦枠(人数制限なし)のほか、複数の大学から指定校推薦枠をいただいています。詳細は学校説明会でご確認ください。
Q5. 通学時間はどのくらいの生徒が多いですか?
A. 横浜市内や川崎市からの生徒が中心ですが、東京都や県央地域から通う生徒もいます。1時間程度の通学時間の生徒が多いようです。
まとめ
聖ヨゼフ学園高等学校は、少人数制のカトリック校として、一人ひとりを大切にする温かい教育環境が魅力の学校です。
この学校の主なポイント
- 偏差値52の中堅レベルで、基礎学力重視の入試
- 3年間の学費総額は約215万円(標準的な水準)
- 少人数制による個別指導と家庭的な雰囲気
- 白百合女子大学への推薦枠と上智大学との連携協定
- 文系・理系問わず幅広い進路選択が可能
2023年の共学化により、新しい時代に向けて変化している聖ヨゼフ学園。少人数でアットホームな環境の中、じっくりと学力を伸ばし、豊かな人間性を育みたい方には最適な学校です。
受験を検討されている方は、ぜひ一度学校説明会や文化祭に足を運んで、実際の雰囲気を確かめてみてください。きっと、あなたの高校生活を充実させてくれる学校になるはずです。