Last Updated on 2025年10月20日 by わかる先生
はじめに
横浜共立学園高等学校への進学をお考えの中学生とその保護者の皆様へ。神奈川県内有数の伝統校として知られる横浜共立学園について、公式情報だけでは分からないリアルな学校情報をお届けします。
この記事では、偏差値や進学実績といった基本データから、実際の学校生活の様子や在校生・卒業生の生の声まで、受験校選びに必要な情報を網羅的にご紹介します。特に気になる学費の詳細やライバル校との比較も含めて、横浜共立学園への理解を深めていただけるでしょう。
横浜共立学園高等学校の基本情報
横浜共立学園高等学校について、まず押さえておきたい基本情報をご紹介します。創立150年以上の歴史を誇る同校は、神奈川県内でも特に注目される女子校の一つとして位置づけられています。
学校概要と教育理念
横浜共立学園高等学校は1871年(明治4年)に設立された私立女子校で、キリスト教精神に基づいた全人教育を教育理念としています。建学の精神である「心を清くし、愛の人であれ」のもと、知性と品性を兼ね備えた女性の育成に力を注いでいます。
アメリカ人宣教師によって設立された同校は、当時としては珍しい女子教育機関として、西洋の進んだ教育を日本に導入しました。現在でも毎朝の全校礼拝や週1時間の聖書の授業が行われており、キリスト教教育が学校生活の基盤となっています。
偏差値と入学難易度
横浜共立学園高等学校の偏差値は65~68程度とされており、神奈川県内の私立女子校の中では上位にランクされています。各模試会社によって若干の違いがありますが、概ね同じ水準を維持しています。
模試会社 | 偏差値 |
---|---|
進研模試 | 67 |
駿台模試 | 65 |
河合塾模試 | 66 |
この偏差値レベルは、神奈川県立横浜翠嵐高等学校や湘南高等学校に次ぐ難易度であり、県内でも有数の進学校としての地位を確立しています。
ただし、高校からの募集は行っておらず、基本的に中学受験での入学となります。そのため、高校偏差値は中学受験時の偏差値を参考値として算出されているのが実情です。
アクセスと立地
横浜共立学園へのアクセスは非常に良好で、複数の交通手段を利用できます。
- JR根岸線「石川町」駅から徒歩約10分
- みなとみらい線「元町・中華街」駅から徒歩約8分
- 横浜市営バス「地蔵坂上」停留所から徒歩約1分
横浜市中区山手町に位置し、周辺には横浜の観光スポットも多く、放課後の部活動や文化的な活動にも恵まれた環境となっています。
入試制度と合格対策
横浜共立学園高等学校の入試について、受験生と保護者が最も関心を持つ詳細な情報をお伝えします。中学受験での入学が基本となるため、中学入試の情報を中心にご紹介します。
入試日程と募集人数
横浜共立学園中学校では、A日程とB日程の2回の入試機会があります。
入試区分 | 入試日 | 募集人数 | 備考 |
---|---|---|---|
A日程 | 2月2日 | 約120名 | 2026年入試より2月1日から変更 |
B日程 | 2月3日 | 約40名 | 難易度はA日程より高め |
入試科目と配点
4科目入試(国語・算数・理科・社会)で実施されます。
- 試験時間:各科目50分
- 配点:各科目100点(総合400点満点)
- 合格基準:例年約240~260点程度
偏差値と合格難易度
近年は横浜共立学園中学校は四谷大塚受験偏差値で60ポイントほどとなり、難度は少し落ち着いてきました。
日程 | 四谷大塚80偏差値 | 四谷大塚50偏差値 |
---|---|---|
A日程 | 49 | 46 |
B日程 | 約52 | 約49 |
併願校パターン
併願で一番多いのが鎌倉女学院です。ついで清泉女学院中学校といった順序です。横浜雙葉中学校を併願することもできるのでそれも候補の1つとなります。
主な併願校パターン:
- 鎌倉女学院中学校
- 清泉女学院中学校
- 神奈川学園中学校
- 湘南白百合学園中学校
- 横浜雙葉中学校
教科別対策のポイント
算数
例年大問5題構成の問題が出題されています。割合、速さ、立体図形などがよく出題されます。
- 大問1:計算問題を含む小問集合(確実に得点したい)
- 大問2:特殊算(年齢算、流水算、食塩水の濃度など)
- 大問3:速さの問題や食塩水の濃度
- 大問4・5:平面図形と立体図形
国語・理科・社会
入試問題は基本、標準レベルの問題はいかに得点できるかどうかで決まります。入念な準備を心がけましょう。標準的な問題が中心のため、基礎をしっかり固めることが重要です。
学費と諸費用
横浜共立学園高等学校への進学を検討する際、多くの保護者が気になるのが学費や諸費用です。私立学校の費用について、詳細にご説明します。
入学時の費用
私立中高一貫校である横浜共立学園では、入学時にまとまった費用が必要になります。
入学時納入金(概算):
- 入学金:約30万円
- 施設設備費:約20万円
- その他諸費用:約10万円
- 合計:約60万円
年間学費の内訳
年間授業料等(概算):
- 授業料:約50万円
- 施設維持費:約15万円
- 教育活動費:約10万円
- 年間合計:約75万円
3年間の総額シミュレーション
中学入学から高校卒業までの6年間で必要な学費を試算すると以下の通りです。
項目 | 金額 |
---|---|
入学時費用 | 約60万円 |
年間学費×6年 | 約450万円 |
修学旅行・行事費 | 約30万円 |
制服・教材費 | 約20万円 |
総額 | 約560万円 |
その他の費用
制服代:
- 夏服・冬服セット:約8~10万円
- 体操服・上履き等:約2万円
教材費・副教材費:
- 年間約3~5万円
修学旅行費:
- 中学:約15万円(関西方面)
- 高校:約20万円(九州方面など)
奨学金制度
横浜共立学園では、経済的支援が必要な生徒に対して独自の奨学金制度を設けています。
- 入学金減免制度:経済状況に応じて入学金の一部または全額を減免
- 授業料減免制度:年収基準に応じて授業料の減額
- 緊急支援制度:家計急変時の一時的な支援
また、国の就学支援金制度や神奈川県の学費軽減制度も利用可能で、世帯年収に応じて年間約40万円程度の支援を受けることができます。
リアルな学校生活と校風
横浜共立学園の日常的な学校生活について、在校生や卒業生の声を交えながらご紹介します。公式情報だけでは分からないリアルな学校の雰囲気をお伝えします。
日常の学校生活
1日のスケジュール:
- 8:20 朝の礼拝(全校生徒参加)
- 8:30-15:10 通常授業(6時間制)
- 15:30- 部活動・委員会活動
毎朝全校生徒による礼拝が行われるほか、週1時間の聖書の授業が設けられています。キリスト教精神に基づく教育が日常に根づいているのが特徴です。
校則について
校則は一般的な学校に比べてやや厳しいかと思われます。ただ生徒手帳に書かれているよりも実際は厳しくないらと感じます。
主な校則:
- 制服の着こなしに関する規定
- 携帯電話の使用制限
- アルバイト禁止
- 髪型・化粧に関する規定
よっぽど校則に違反してなければ注意されることはありません。現在、校則の時代に合わせた改善が行われており、これからはより過ごしやすくなると思われます。
最近の変化:
来年からスラックスの導入もされます。クラスの子は喜んでいました。これで受験してくれる子が増えると思うと嬉しいですとの在校生の声もあり、時代に合わせた改革が進んでいます。
年間行事
横浜共立学園では、キリスト教行事と一般的な学校行事の両方が充実しています。
主な年間行事:
- 4月:入学式、始業式
- 6月:体育祭
- 10月:秋桜祭(文化祭)
- 11月:創立記念礼拝
- 12月:クリスマス礼拝
- 2月:中学修学旅行(関西方面)
- 3月:高校修学旅行、卒業式
11月の秋桜祭はとても盛り上がって楽しいので受験生にはぜひ見に来てほしいですという在校生の声があり、文化祭は学校の魅力を知る良い機会となっています。
部活動
文化系部活動(15団体):
- 演劇部、音楽部、美術部
- 文芸部、英語部、放送部
- 新聞部、写真部、茶道部 など
運動系部活動(7団体):
- バスケットボール部、バレーボール部
- テニス部、卓球部、体操部
- 水泳部、陸上競技部
宗教関連活動(3団体):
- ハンドベル部、聖歌隊
- ボランティア部
生徒の雰囲気
穏やかで優しい子が多い。先輩後輩の仲も良く、入学してから今までイジメは聞いたことがありません。
全員が全員お友達だと思ってます!という在校生の声もあり、アットホームで温かい校風が特徴的です。
一方で、いじめや陰口など普通にあります。また、問題のある生徒も多いですという意見もあり、学年によって雰囲気に違いがあることも事実です。
進学実績と進路指導
横浜共立学園高等学校の進学実績は、神奈川県内の私立女子校の中でも特に注目される分野です。最新の合格実績と進路指導の特徴をご紹介します。
最新の進学実績(2025年)
2025年の卒業生170名のうち、155名(91%)が4年制大学に進学しており、極めて高い大学進学率を誇っています。
国公立大学合格実績(2025年)
大学名 | 合格者数 |
---|---|
東京大学 | 1名 |
京都大学 | 1名 |
一橋大学 | 1名 |
東京科学大学 | 1名 |
お茶の水女子大学 | 3名 |
筑波大学 | 1名 |
千葉大学 | 2名 |
東京外国語大学 | 2名 |
東京農工大学 | 2名 |
横浜国立大学 | 1名 |
横浜市立大学 | 4名 |
国公立大学合計 | 27名 |
私立大学合格実績(2025年)
早慶上智:
- 早稲田大学:32名
- 慶應義塾大学:26名
- 上智大学:22名
- 早慶上智合計:80名
GMARCH:
- 明治大学:73名
- 青山学院大学:22名
- 立教大学:36名
- 中央大学:32名
- 法政大学:32名
- 学習院大学:5名
- GMARCH合計:200名
女子大学:
- 日本女子大学:13名
- 東京女子大学:10名
- 津田塾大学:7名
3年間の進学実績推移
過去3年間を見ると、国公立大学への合格者数は2023年32名、2024年23名、2025年27名と安定した実績を維持しています。
早稲田、慶応、上智、MARCHといった難関私立大学へも多数の合格者を出しています。早慶上智の3大学へは毎年170人前後の合格者を出すなど実績を上げています。
理系進学と医学部進学
理系分野では、特に生命科学系や薬学系での実績が目立ちます。
医歯薬系合格実績:
- 北里大学:22名(医・薬・獣医含む)
- 東京薬科大学:4名
- 星薬科大学:6名
- 昭和薬科大学:数名
指定校推薦制度
2024年入試では多くの難関大学から指定校推薦の依頼がありました。
主な指定校推薦枠:
- 早稲田大学:8学部(文、文化構想、法、教育、基幹理工、創造理工、先進理工)
- 慶應義塾大学:4学部(法、商、経済、理工)
- 明治大学:理工学部
- 立教大学:理学部
- 青山学院大学:経済、理工学部
進路指導の特色
きめ細かな進路指導:
- 少人数クラス制による個別指導
- 定期的な進路面談
- 進路ガイダンスの充実
特別プログラム:
難関大学対策講座です。東京大学や京都大学、医学部などを志望する生徒を対象に、放課後や長期休暇中に特別講座が開講されています。
英語力強化のための特別英語プログラムも充実しています。ネイティブ教員による会話レッスンや、TOEFL・IELTS対策講座など、大学入試だけでなく将来の国際社会での活躍を見据えた英語教育が行われています。
ライバル校との比較
横浜共立学園を検討する際に、よく比較対象となる神奈川県内の私立女子校との違いをご紹介します。それぞれの学校の特色を理解して、お子様に最適な学校選びの参考にしてください。
神奈川県私立女子校御三家比較
学校名 | 偏差値 | 宗教 | 進学実績の特徴 |
---|---|---|---|
横浜共立学園 | 65-68 | キリスト教 | 早慶上智80名、GMARCH200名 |
横浜雙葉 | 67-70 | カトリック | 早慶上智中心、医学部に強い |
フェリス女学院 | 66-69 | キリスト教 | 国際系、芸術系に特色 |
横浜雙葉との比較
共通点:
- キリスト教系女子校
- 伝統ある教育
- 高い進学実績
違い:
- 横浜共立:プロテスタント系、比較的自由な校風
- 横浜雙葉:カトリック系、より厳格な校風
神奈川御三家と言われていますが、橫共と横雙は偏差値下がっていて、難関校じゃなくなっていますという指摘もありますが、依然として県内トップレベルの進学実績を維持しています。
フェリス女学院との比較
フェリス女学院の特色:
- 国際教育により力を入れている
- 芸術教育が充実
- より自由度の高い校風
横浜共立の特色:
- キリスト教教育の伝統
- 理系進学にも強い
- バランスの取れた教育
鎌倉女学院との比較
立地の違い:
- 横浜共立:横浜中心部、アクセス良好
- 鎌倉女学院:鎌倉の自然豊かな環境
教育方針の違い:
- 横浜共立:キリスト教に基づく全人教育
- 鎌倉女学院:仏教系、禅の精神を基盤
併願校選択のポイント
偏差値のポイントに余裕があれば湘南白百合中学校、手堅く合格をということであれば、神奈川学園中学校を受験するのがよいでしょう。
併願パターンの考え方:
- チャレンジ校:横浜雙葉、フェリス女学院
- 適正校:横浜共立学園、鎌倉女学院
- 安全校:神奈川学園、聖園女学院
受験に関するQ&A
横浜共立学園の受験について、受験生と保護者からよく寄せられる質問にお答えします。実際の受験準備に役立つ具体的な情報をご提供します。
Q1. 横浜共立学園の入試の特徴は何ですか?
A1. 入試問題は一部難しいものも含まれますが、標準的な問題が中心で中学受験の学習範囲をしっかり理解し、速く正確に解答する力が必要です。
対策のポイント:
- 基礎問題の確実な得点
- 時間配分の練習
- 過去問演習による傾向把握
Q2. 入試日程の変更について教えてください
A2. 2026年(令和8年)入試より、A日程が2/1から2/2へ変更されます。これにより併願校選択の戦略も変わってくる可能性があります。
影響する併願パターン:
- 2月1日の他校受験が可能になる
- 午後入試の選択肢が増える
Q3. どのような塾で対策すれば良いですか?
A3. 横浜共立学園の入試対策には、以下のような塾や予備校が実績を上げています。
大手塾:
- SAPIX(サピックス)
- 日能研
- 四谷大塚
- 早稲田アカデミー
地域密着型:
- 湘南ゼミナール
- 臨海セミナー
- 神奈川県内の中学受験専門塾
Q4. 学校説明会はいつ開催されますか?
A4. 例年以下のスケジュールで説明会が開催されています。
主な説明会・見学会:
- 6月:第1回学校説明会
- 9月:第2回学校説明会
- 10月:秋桜祭(文化祭) – 学校の雰囲気を知る絶好の機会
- 11月:入試説明会
- 12月:個別相談会
Q5. 合格最低点の目安は?
A5. 例年の傾向から、以下が合格の目安とされています。
日程 | 合格最低点の目安 | 得点率 |
---|---|---|
A日程 | 240-260点 | 60-65% |
B日程 | 260-280点 | 65-70% |
科目別の目標点:
- 国語:70-80点
- 算数:60-75点
- 理科:55-65点
- 社会:55-65点
Q6. 面接はありますか?
A6. 一般入試では面接試験はありません。学力試験のみで合否が決定されます。ただし、推薦入試など特別な入試制度では面接が実施される場合があります。
Q7. 過去問対策はいつから始めるべきですか?
A7. この時期の学習のポイントは「本番力の養成」です。入試本番の試験時間、試験問題を意識した学習を進めて本番で得点できる力をつけます。
過去問対策のスケジュール:
- 6年生9月:過去問分析開始
- 10月-11月:本格的な過去問演習
- 12月-1月:弱点補強と最終調整
Q8. ICT教育の状況はどうですか?
A8. 来年度から2023年11月11日BY.在校生(10代) · iPadが導入されます。学年ごとに対応が変わるようですがようやく動き出したようです。
従来はICT教育に遅れをとっていますが、現在早急に改革を進めているそうです タブレット1人1台も検討中とのことでしたが、現在は積極的にICT環境の整備を進めています。
まとめ
横浜共立学園高等学校は、150年以上の伝統を誇るキリスト教系女子校として、神奈川県内でも確固たる地位を築いています。偏差値65-68という高い学力水準を維持しながら、早慶上智80名、GMARCH200名という優秀な進学実績を誇る進学校です。
横浜共立学園を選ぶメリット
学習面:
- 少人数クラスできめ細かな指導
- 難関大学対策の特別講座
- 充実した進路指導体制
環境面:
- 横浜中心部の好立地
- 歴史ある美しいキャンパス
- 穏やかで品のある校風
人間教育:
- キリスト教精神に基づく全人教育
- 国際的な視野を育む教育
- 社会貢献の精神の育成
検討すべき点
費用面:
- 6年間で約560万円の学費
- 制服代や修学旅行費等の諸費用
校風面:
- キリスト教教育への理解が必要
- やや厳格な校則
- 宗教行事への参加
派手さはありませんが、進学実績、生徒の雰囲気、施設設備の充実度、全体的に良いと思いますという卒業生の声が示すように、横浜共立学園は堅実で質の高い教育を提供する学校です。
最後に
受験校選びにおいて最も重要なのは、お子様の個性や将来の目標に合った学校を選ぶことです。横浜共立学園の教育方針や校風が、お子様の成長にプラスになると感じられるかどうかを、実際に学校を訪れて確認することをお勧めします。
秋桜祭(文化祭)はとても盛り上がって楽しいので受験生にはぜひ見に来てほしいですという在校生の言葉通り、文化祭や説明会に参加して、横浜共立学園の魅力を直接感じていただければと思います。
お子様の充実した学校生活と輝かしい未来のために、この記事が受験校選びの一助となることを願っています。