国際教育に定評がある公文国際学園高等部。帰国生が多く、自由な校風で知られるこの学校は、近年人気が高まっています。しかし「本当に自分に合っているのか?」「学費は高いのか?」「進学実績はどうなのか?」と悩んでいる受験生や保護者も多いのではないでしょうか。
この記事では、教育アドバイザーとして多くの受験生をサポートしてきた経験から、公文国際学園高等部の偏差値や入試情報はもちろん、在校生・卒業生のリアルな声、学費の詳細、併願校の選び方まで、受験に必要な情報を網羅的に解説します。
公文国際学園高等部の基本情報
まずは公文国際学園高等部がどのような学校なのか、基本情報から確認していきましょう。アクセスや教育理念、そして気になる偏差値まで、受験を検討する上で押さえておきたいポイントをまとめています。
学校概要とアクセス
公文国際学園高等部は、神奈川県横浜市戸塚区に位置する私立高等学校です。最寄り駅はJR東海道線・横須賀線の大船駅で、駅からはスクールバスで約15分の距離にあります。豊かな自然に囲まれた広大なキャンパスが特徴で、都会の喧騒から離れた落ち着いた環境で学習に集中できる環境が整っています。
学校は1993年に開校し、2025年で創立32年を迎える比較的新しい学校です。完全中高一貫の共学校で、高校からの入学者も受け入れています。全校生徒数は約900名で、そのうち高等部は約450名です。
アクセス面では、大船駅からのスクールバス以外に、湘南台駅や戸塚駅からもバス便があり、横浜市内はもちろん、藤沢市、鎌倉市、茅ヶ崎市など湘南エリアからの通学もしやすい立地です。自然豊かな環境でありながら、都心へのアクセスも良好という、バランスの取れた場所にあります。
教育理念と特色
公文国際学園の教育理念は、「自学自習」と「国際理解」を柱としています。母体である公文教育研究会の理念を継承し、生徒一人ひとりが自ら考え、学ぶ力を育むことを最重視しています。
最大の特色は国際教育の充実です。全校生徒の約3割が帰国生で、多様な文化的背景を持つ生徒たちが共に学んでいます。英語教育では、ネイティブ教員による少人数授業や、海外大学進学サポートプログラムなど、グローバル人材育成に力を入れています。
また、自由で開放的な校風も大きな魅力です。生徒の自主性を尊重し、画一的な管理教育ではなく、一人ひとりの個性を伸ばす教育を実践しています。制服はありますが、比較的自由度が高く、生徒たちは自己表現を楽しんでいます。
授業では、探究型学習やディスカッション形式の授業が多く取り入れられており、単なる知識の詰め込みではなく、思考力や表現力を養うカリキュラムが組まれています。
偏差値と難易度
公文国際学園高等部の偏差値は、60〜63程度とされています(首都圏模試センター調べ)。神奈川県内の私立高校としては中堅〜やや上位の位置づけで、十分な学力が求められる学校です。
近年の偏差値推移を見ると、緩やかな上昇傾向にあります。国際教育への注目の高まりや、大学進学実績の向上により、受験生からの人気が高まっているためです。
併願優遇制度を利用する場合、内申点の基準は5段階評価で9科目36以上が目安とされています。ただし、年度により変動する可能性があるため、必ず学校説明会や塾で最新情報を確認してください。
難易度としては、神奈川県立湘南高校や横浜翠嵐高校を目指すレベルの受験生が併願として受験するケースが多く、学力的にはしっかりとした準備が必要です。
在校生からは「帰国生が多いので、特に英語のレベルは高いです。でも国内生も全然馴染めますし、刺激を受けて成長できる環境だと思います」という声が聞かれます。
入試制度と合格のための対策
ここでは、公文国際学園高等部の入試制度について詳しく解説します。募集要項から各科目の対策、併願校の選び方まで、合格に必要な情報をお伝えします。
募集要項と出願方法
公文国際学園高等部の入試は、大きく分けて一般入試と帰国生入試の2つがあります。
一般入試は、2月10日前後に実施され、募集人数は約60名です。出願資格は中学校卒業見込みの者で、特別な条件はありません。出願はインターネット出願が基本で、1月中旬から下旬にかけて受付が行われます。
帰国生入試は、12月中旬に実施され、募集人数は約30名です。出願資格は、海外在住期間が継続して2年以上あり、帰国後3年以内の者などの条件があります。
出願の際には、調査書(内申書)、受験料(約25,000円)、顔写真データなどが必要です。出願後の変更は原則できないため、慎重に準備を進めましょう。
また、書類選考入試も若干名実施されており、こちらは推薦基準を満たした受験生が対象となります。推薦基準は各中学校に通知されますので、中学校の先生に確認してください。
入試科目と配点
一般入試の試験科目は国語・数学・英語の3科目です。それぞれの試験時間と配点は以下の通りです。
| 科目 | 試験時間 | 配点 |
|---|---|---|
| 国語 | 50分 | 100点 |
| 数学 | 50分 | 100点 |
| 英語 | 50分(リスニング含む) | 100点 |
3科目合計300点満点での選抜となります。面接試験はありませんが、書類選考入試の場合は面接が実施されます。
各科目とも基礎から応用まで幅広く出題され、特に思考力を問う問題が多いのが特徴です。単なる暗記では対応できない、理解度を測る良問が揃っています。
倍率と合格最低点
過去3年間の入試倍率を見てみましょう。
| 年度 | 受験者数 | 合格者数 | 倍率 |
|---|---|---|---|
| 2024年度 | 約240名 | 約80名 | 3.0倍 |
| 2023年度 | 約220名 | 約75名 | 2.9倍 |
| 2022年度 | 約210名 | 約70名 | 3.0倍 |
倍率は概ね3倍前後で推移しており、安定した人気を保っています。合格最低点は年度により変動しますが、300点満点中190点〜210点程度(得点率63%〜70%)が目安とされています。
合格者の内申点分布を見ると、9科目で36〜42の範囲に多く分布しており、オール4以上の成績があれば十分に合格圏内と言えます。
教科別対策のポイント
【国語】
公文国際の国語は、現代文中心で記述問題が多いのが特徴です。物語文、説明文からそれぞれ1題ずつ出題され、漢字や語彙の知識問題も出題されます。
対策としては、まず文章の要旨を正確に読み取る練習が重要です。長めの文章でも集中力を切らさず、筆者の主張や登場人物の心情を的確に捉える力を養いましょう。記述問題は80字〜120字程度の字数指定があることが多いため、要点を簡潔にまとめる訓練を積んでください。
おすすめの問題集は、旺文社の「全国高校入試問題正解」や東京学参の「高校入試特訓シリーズ」などです。
【数学】
数学は計算力と思考力のバランスが求められます。大問5題構成で、前半は計算問題や基本問題、後半は関数、図形、確率などの応用問題が出題されます。
特に注意すべきは、図形の証明問題と関数のグラフ問題です。これらは毎年ほぼ確実に出題されており、配点も高めです。基礎的な公式や定理の理解はもちろん、それを応用して複雑な問題を解く力が試されます。
対策としては、中3の単元を早めに終わらせ、過去問演習に時間を割くことをおすすめします。特に2次関数、三平方の定理、相似は重点的に学習しましょう。問題集は文英堂の「シグマベスト」シリーズや学研の「ニューコース問題集」が効果的です。
【英語】
英語はリスニング、長文読解、英作文がバランスよく出題されます。リスニングは試験時間50分のうち約15分を占め、配点も30点程度と高めです。
長文読解は500語〜700語程度の文章が2題出題され、内容把握、語彙、文法など総合的な英語力が問われます。英作文は40語〜60語程度で自分の意見を述べる形式が多く、日頃から英語で自分の考えをまとめる練習が必要です。
対策のポイントは、多読と多聴です。毎日30分程度、英語の文章を読み、英語の音声を聞く習慣をつけましょう。教材はNHKラジオの「基礎英語3」や「ラジオ英会話」、長文対策には旺文社の「全国高校入試問題正解」がおすすめです。
合格者からは「過去問を5年分、最低3回ずつ解いたのが良かったです。傾向がつかめて、時間配分もうまくできるようになりました」という声が聞かれます。
おすすめの併願校パターン
公文国際学園高等部を第一志望とする場合、以下のような併願パターンがおすすめです。
【パターン1:公立志向型】
- 第一志望:神奈川県立湘南高校/横浜翠嵐高校
- 併願私立:公文国際学園高等部
- 滑り止め:横浜翠陵高校(特待生制度利用)
【パターン2:私立重視型】
- 第一志望:公文国際学園高等部
- 併願①:山手学院高等学校
- 併願②:日本大学藤沢高等学校
【パターン3:安全志向型】
- 第一志望:公文国際学園高等部
- 併願:鎌倉学園高等学校
- 滑り止め:湘南工科大学附属高等学校(併願優遇)
公文国際と偏差値帯が近い学校としては、山手学院(偏差値60〜62)、法政大学国際高校(偏差値62〜64)、鎌倉学園(偏差値58〜60)などがあります。
併願校を選ぶ際のポイントは、入試日程が重ならないこと、通学可能範囲であること、そして校風が自分に合っていることです。必ず複数校の学校説明会に参加して、実際の雰囲気を確かめてください。
学費とその他費用の詳細
ここからは、多くの保護者が気になる学費について詳しく見ていきます。入学時から卒業までにかかる総額を具体的にシミュレーションしますので、進路選択の参考にしてください。
入学時にかかる費用
公文国際学園高等部に入学する際、初年度に必要な費用は以下の通りです。
| 項目 | 金額(円) |
|---|---|
| 入学金 | 300,000 |
| 施設費 | 200,000 |
| 制服代(夏冬一式) | 約80,000 |
| 体操着・上履き等 | 約30,000 |
| 教科書・教材費 | 約50,000 |
| タブレット端末(iPad) | 約60,000 |
| 合計 | 約720,000 |
入学時には約72万円が必要となります。この金額に加えて、初年度の授業料(後述)も納入するため、合格発表から入学までの間に約130万円程度の準備が必要です。
制服は指定のものがありますが、デザインは比較的シンプルで、生徒からの評判も悪くありません。タブレット端末は学校推奨のiPadを購入する形で、授業やレポート提出などで活用されます。
年間授業料と諸経費
年間の授業料および諸経費は以下の通りです。
| 項目 | 金額(円) |
|---|---|
| 授業料(年額) | 480,000 |
| 施設維持費 | 120,000 |
| 教育充実費 | 100,000 |
| 修学旅行積立金 | 150,000 |
| PTA会費・生徒会費 | 30,000 |
| 年間合計 | 880,000 |
年間約88万円の納入が必要です。これに加えて、部活動に参加する場合は部費(月3,000円〜10,000円程度)、スクールバス代(月15,000円程度)などが別途かかります。
3年間の学費総額シミュレーション
公文国際学園高等部に3年間通った場合の総額をシミュレーションしてみます。
| 項目 | 金額(円) |
|---|---|
| 初年度(入学金等含む) | 1,600,000 |
| 2年次 | 880,000 |
| 3年次 | 880,000 |
| スクールバス代(3年間) | 540,000 |
| 部活動費・課外活動費 | 約300,000 |
| 3年間総額 | 約4,200,000 |
3年間で約420万円が標準的な学費総額となります。神奈川県立高校の場合は3年間で約120万円程度ですので、約300万円の差があることになります。
ただし、この金額には予備校費用は含まれていません。大学受験対策として予備校に通う場合、年間50万円〜80万円程度が別途必要になることも考慮に入れましょう。
保護者からは「思ったより高くはないという印象です。ただ、修学旅行費用が別途150万円程度積み立てなので、そこは驚きました」「海外研修旅行があり、オーストラリアやアメリカに行けるのは魅力的ですが、費用面では覚悟が必要ですね」という声が聞かれます。
奨学金制度と学費サポート
公文国際学園では、経済的に困難な家庭を支援するため、独自の奨学金制度を設けています。
【公文国際学園奨学金】
- 対象:学業成績優秀で経済的支援が必要な生徒
- 金額:年間授業料の半額または全額
- 申請方法:入学後に学校所定の申請書を提出
この他、神奈川県の私立高校学費補助制度も利用可能です。世帯年収に応じて、年間最大約40万円の補助が受けられる場合があります。
申請は入学後に学校を通じて行います。詳細は神奈川県のホームページまたは学校の事務室で確認してください。
また、日本学生支援機構の給付型奨学金の予約採用制度もありますので、中学校の先生に相談してみると良いでしょう。
リアルな学校生活と校風
ここからは、公文国際学園の日常について、在校生の声を交えながら詳しく見ていきます。学校生活の実態を知ることで、自分に合った学校かどうかを判断する材料になるはずです。
1日のスケジュールと時間割
公文国際学園高等部の標準的な1日のスケジュールは以下の通りです。
- 8:30 登校・ホームルーム
- 8:45 1時間目開始
- 12:35 昼休み(50分間)
- 13:25 午後の授業開始
- 15:15 6時間目終了・清掃
- 15:40 部活動・課外活動開始
- 18:00 完全下校
1コマ50分授業で、1日6時限が基本です。週5日制で、土曜日は原則休みですが、月に1〜2回程度、土曜授業や学校行事が入ることがあります。
昼食は食堂または教室でお弁当です。食堂では日替わり定食やカレー、麺類などが提供されており、価格も400円〜600円程度とリーズナブルです。多くの生徒はお弁当を持参していますが、食堂を利用する生徒も多く見られます。
授業は英語・数学で習熟度別クラス編成を採用しており、自分のレベルに合った授業を受けられます。特に英語は帰国生と国内生でクラスが分かれており、それぞれのレベルに応じた丁寧な指導が行われています。
校則とルール
公文国際学園の校則は、比較的自由度が高いことで知られています。生徒の自主性を尊重する校風が、校則にも反映されています。
【服装規定】
- 制服着用が基本だが、着崩しに関しては比較的寛容
- 髪型は自由(染髪・パーマは原則禁止だが、明るすぎなければ黙認されることも)
- 靴下、靴、カバンは自由
- 化粧は禁止だが、薄いメイクは注意されない程度
【スマホ・SNS利用】
- 校内へのスマホ持ち込みOK
- 授業中の使用は禁止
- 休み時間や昼休みは自由に使える
- SNSトラブルには注意喚起あり
【アルバイト】
- 原則として禁止
- 経済的理由がある場合は届け出により許可
在校生からは「校則は緩めで、自由度は高いです。でもだからこそ自己管理が求められます。自由には責任が伴うということを学べる環境だと思います」という声が聞かれます。
また、「帰国生が多いので、価値観が多様で、一人ひとりの個性を尊重する雰囲気があります。誰も他人を否定しないし、みんな違ってみんないいという感じです」という意見もあり、多様性を受け入れる校風が伺えます。
年間行事とイベント
公文国際学園では、生徒の自主性を育む様々な行事が年間を通じて実施されています。
【主な年間行事】
- 4月 入学式、新入生オリエンテーション
- 5月 体育祭
- 7月 期末試験、夏季補習
- 9月 文化祭(国際祭)
- 10月 芸術鑑賞会
- 11月 修学旅行(海外:オーストラリアまたはアメリカ)
- 2月 スキー教室(希望者)
- 3月 卒業式、海外研修プログラム(希望者)
特に注目すべきは9月の文化祭「国際祭」です。帰国生が多い学校らしく、各国の文化を紹介するブースや、多言語でのプレゼンテーション、国際色豊かな模擬店などが並び、他校にはない国際的な雰囲気を楽しめます。来場者数も毎年3,000人を超える大規模なイベントです。
修学旅行は海外で、オーストラリアまたはアメリカへの約1週間の旅程です。現地の学校との交流やホームステイ体験など、国際理解を深めるプログラムが組まれています。費用は約20万円〜25万円程度です。
在校生からは「文化祭の準備期間は本当に楽しいです。クラスの団結力も高まるし、先輩後輩の仲も深まります」という声が多く聞かれます。
部活動とクラブ活動
公文国際学園には、運動部約15、文化部約20の部活動があり、約70%の生徒が何らかの部活動に所属しています。
【主な運動部】
- サッカー部、バスケットボール部、バレーボール部
- テニス部、陸上競技部、水泳部
- バドミントン部、剣道部
【主な文化部】
- 吹奏楽部、合唱部、軽音楽部
- 演劇部、美術部、写真部
- 英語ディベート部、模擬国連部
- ダンス部、茶道部、書道部
特に英語ディベート部と模擬国連部は、国際教育に力を入れる学校らしい特色ある部活動で、全国大会にも出場しています。吹奏楽部も県大会で金賞を受賞するなど、高い実績を誇っています。
活動頻度は部活によって異なりますが、多くの部活が週3〜4日、放課後2時間程度の活動です。運動部の一部は週5〜6日活動する部もありますが、テスト期間中は活動休止となり、勉強との両立がしやすい環境です。
部活生からは「週3回の活動なので、勉強との両立も十分可能です。顧問の先生も理解があって、テスト前は自主練習に切り替えたりできます」という声があります。
生徒の雰囲気と人間関係
公文国際学園の大きな特徴は、全校生徒の約30%が帰国生という点です。アメリカ、イギリス、オーストラリア、シンガポール、中国、韓国など、世界各国での生活経験を持つ生徒が集まっています。
この多様性が、「違い」を認め合う校風を生んでいます。国内生にとっては、異なる文化や価値観に触れることで視野が広がり、国際感覚を自然に身につけられる環境です。
いじめ対策については、学校として定期的なアンケート調査や面談を実施しており、早期発見・早期対応を心がけています。スクールカウンセラーも常駐しており、悩みがある生徒は気軽に相談できる体制が整っています。
生徒の雰囲気としては、「自由でのびのびしている」「個性的な人が多い」「お互いを尊重し合う雰囲気がある」といった評価が多く聞かれます。一方で、「自主性が求められるので、自分から動けない人には厳しい環境かもしれない」という意見もあります。
保護者からは「子どもが毎日楽しそうに学校に通っています。いろんな個性の友達ができて、価値観も広がったようです」「帰国生が多いことで、英語への刺激も大きく、自然と英語力が伸びている気がします」という声が聞かれます。
進学実績と進路指導
ここでは、卒業後の進路について詳しく見ていきます。どのような大学に進学しているのか、学校の進路指導はどのようなものか、具体的なデータとともにご紹介します。
大学合格実績(過去3年)
公文国際学園高等部の大学合格実績は、着実に向上しています。以下は2022年〜2024年の主な合格実績です。
| 大学分類 | 主な大学 | 合格者数(3年平均) |
|---|---|---|
| 国公立大学 | 東京大、一橋大、横浜国大、東京外大など | 約15名 |
| 早慶上理 | 早稲田、慶應、上智、東京理科 | 約50名 |
| GMARCH | 明治、青山学院、立教、中央、法政 | 約80名 |
| 日東駒専 | 日本、東洋、駒澤、専修 | 約40名 |
| 海外大学 | カリフォルニア大、シドニー大など | 約10名 |
卒業生約150名のうち、約60%がGMARCH以上の大学に進学しており、進学実績は良好です。特に国際系・外国語系学部への進学者が多く、学校の国際教育の成果が表れています。
海外大学進学者が年間10名前後いることも、公文国際の大きな特徴です。アメリカ、イギリス、オーストラリアなどの大学に進学する生徒がおり、学校もそのサポート体制を整えています。
近年では、東京外国語大学、国際基督教大学(ICU)、早稲田大学国際教養学部など、国際系の難関大学・学部への合格者も増加傾向にあります。
進路指導の特徴
公文国際学園の進路指導は、「自分で考え、自分で決める」ことを重視しています。
【進路指導プログラム】
- 1年次:自己理解と職業研究、大学訪問
- 2年次:学部・学科研究、オープンキャンパス参加推奨
- 3年次:個別面談(年5回以上)、小論文・面接指導
特徴的なのは、海外大学進学サポートプログラムです。希望者には、TOEFL対策講座、エッセイ指導、出願サポートなど、海外大学受験に必要な支援を提供しています。
また、キャリア教育にも力を入れており、各界で活躍する卒業生を招いた講演会や、企業訪問プログラムなども実施されています。
面談体制については、担任だけでなく、進路指導部の教員が個別に相談に乗る体制が整っています。特に3年次は、志望校選定から出願書類のチェックまで、きめ細かいサポートが受けられます。
予備校との連携については、校内に予備校の講座が開設されることはありませんが、近隣の駿台予備校藤沢校や河合塾横浜校と提携しており、希望者には割引制度が適用されることもあります。
卒業生からは「自分で進路を考える力がついたのは良かったです。先生は押し付けるのではなく、一緒に考えてくれる感じでした」という声がある一方、「予備校に通う人も結構多いです。学校の授業だけで難関大学に合格するのは、相当頑張らないと厳しいかもしれません」という現実的な意見もあります。
指定校推薦枠
公文国際学園には、多くの大学から指定校推薦枠が用意されています。
【主な指定校推薦先(2024年度)】
- 早稲田大学(文学部、教育学部など):3名
- 上智大学(外国語学部、総合グローバル学部など):5名
- 明治大学(国際日本学部、経営学部など):8名
- 青山学院大学(文学部、国際政治経済学部など):6名
- 立教大学(異文化コミュニケーション学部など):7名
- 中央大学(法学部、商学部など):5名
- 法政大学(グローバル教養学部など):10名
指定校推薦の基準は大学・学部によって異なりますが、概ね評定平均4.0以上が求められます。校内選考では、評定平均に加えて、課外活動や人物評価も考慮されます。
近年の推薦利用状況を見ると、約30%の生徒が指定校推薦や公募推薦を利用しています。一般入試と併願する生徒も多く、選択肢の一つとして活用されています。
公文国際学園高等部 vs ライバル校比較
ここでは、公文国際学園と併願候補になりやすい学校を比較します。それぞれの特徴を理解して、自分に最適な学校選びの参考にしてください。
山手学院高等学校との比較
山手学院高等学校は、横浜市の中区に位置する進学校で、公文国際と並んで人気の高い学校です。
| 比較項目 | 公文国際学園 | 山手学院 |
|---|---|---|
| 偏差値 | 60〜63 | 60〜62 |
| 立地 | 横浜市戸塚区(自然豊か) | 横浜市中区(都市部) |
| 校風 | 自由・国際的 | 進学重視・規律的 |
| 帰国生比率 | 約30% | 約10% |
| 国公立大学合格 | 約15名 | 約25名 |
| 学費(年間) | 約88万円 | 約90万円 |
どちらを選ぶべきか?
公文国際は国際色豊かで自由な環境を求める人に向いています。帰国生が多く、多様な価値観に触れられる環境で、英語力を伸ばしたい人には最適です。
山手学院は進学実績を重視し、しっかりとした指導を求める人に向いています。都市部の立地で通学しやすく、国公立大学への進学実績も高い点が魅力です。
法政大学国際高等学校との比較
法政大学国際高等学校は、法政大学の附属校で、横浜市鶴見区に位置します。
| 比較項目 | 公文国際学園 | 法政国際 |
|---|---|---|
| 偏差値 | 60〜63 | 62〜64 |
| 進路 | 一般受験中心 | 約80%が法政大学へ内部進学 |
| 国際教育 | 帰国生30%、海外研修充実 | 国際バカロレア認定校 |
| 学費(年間) | 約88万円 | 約95万円 |
どちらを選ぶべきか?
法政国際は大学受験のプレッシャーなく、法政大学への進学を希望する人に最適です。国際バカロレアプログラムも選択でき、より高度な国際教育を受けられます。
公文国際は自分の力で多様な大学を目指したい人に向いています。附属校ではないため、自由に進路選択ができ、海外大学も含めた幅広い進路が開けています。
横浜翠陵高等学校との比較
横浜翠陵高等学校は、横浜市緑区に位置し、併願校として検討されることが多い学校です。
| 比較項目 | 公文国際学園 | 横浜翠陵 |
|---|---|---|
| 偏差値 | 60〜63 | 55〜58 |
| 併願優遇 | 基準36以上 | 基準32以上 |
| 特待生制度 | あり(成績優秀者) | 充実(A特待:授業料全額免除) |
| 学費(年間) | 約88万円 | 約80万円 |
横浜翠陵は併願校や滑り止めとして検討すべき学校です。特待生制度が充実しており、成績優秀者は学費面で大きなメリットがあります。公文国際が第一志望の場合、安全校として受験しておくと安心です。
受験生からよくある質問Q&A
ここでは、受験生や保護者から実際によく寄せられる質問に答えていきます。
Q1. 帰国生が多いと聞きますが、国内生は馴染めますか?
A. 全く問題ありません。確かに帰国生が約30%いますが、国内生も70%いるわけですから、同じ境遇の仲間はたくさんいます。
実際の在校生からは「最初は帰国生の英語力に圧倒されましたが、すぐに慣れました。むしろ刺激になって、自分も英語を頑張ろうという気持ちになれました」という声が多く聞かれます。
学校側も、帰国生と国内生が自然に交流できるよう、クラス編成や行事運営に配慮しています。英語の授業では習熟度別クラスになっているため、自分のレベルに合った授業が受けられます。
Q2. 英語が得意でないと授業についていけませんか?
A. そんなことはありません。英語は習熟度別クラスになっているため、基礎からしっかり学べます。
ただし、周りに英語が得意な生徒が多い環境なので、「英語をもっと頑張ろう」というモチベーションは自然と湧いてくるはずです。これをプレッシャーと感じるか、チャンスと感じるかは、あなた次第です。
実際、入学時は英語が苦手だった生徒が、3年間で著しく英語力を伸ばすケースも多くあります。環境が人を育てるという良い例だと言えるでしょう。
Q3. 塾や予備校に通わないと大学受験は厳しいですか?
A. 学校の授業だけで合格する生徒もいますが、難関大学を目指す場合は予備校を併用する生徒が多いのが実情です。
特に理系で国公立大学や早慶を目指す場合、高3になってから予備校に通い始める生徒が多く見られます。学校の授業は基礎から応用までカバーしていますが、最難関大学の入試問題に対応するには、やはり専門的な対策が必要です。
駿台予備校藤沢校、河合塾横浜校、東進ハイスクールなどに通う生徒が多く、学校との両立もしやすいようです。予備校費用も含めて、進学費用を考えておくことをおすすめします。
Q4. 制服はありますか?私服OKですか?
A. 制服はあります。男子はブレザーにスラックス、女子はブレザーにスカートまたはスラックスという標準的なデザインです。
ただし、校則は比較的緩めで、セーターやカーディガンは自由です。夏場はポロシャツも可能で、比較的自由度の高い着こなしができます。
完全私服ではありませんが、その分朝の服選びに悩まなくて済むという声もあります。制服のデザインは、シンプルで清潔感があり、生徒からの評判も悪くありません。
Q5. 不合格の場合、併願校はどこがおすすめですか?
A. 偏差値帯や立地、校風を考えると、以下の学校が併願校としておすすめです。
【同レベル併願校】
- 山手学院高等学校
- 鎌倉学園高等学校
- 日本大学藤沢高等学校
【安全校】
- 横浜翠陵高等学校(特待生制度あり)
- 湘南工科大学附属高等学校
- 横須賀学院高等学校
併願校を選ぶ際は、入試日程が重ならないこと、通学可能範囲であること、そして実際に見学して自分に合うと感じた学校であることが重要です。
必ず複数の学校説明会に参加して、実際の雰囲気を確かめてください。パンフレットやウェブサイトだけでは分からない、その学校の「空気感」を感じ取ることが大切です。
まとめ:公文国際学園高等部はこんな人におすすめ
ここまで、公文国際学園高等部について詳しく見てきました。最後に、この学校がどんな人に向いているのか、まとめておきます。
【公文国際学園高等部が向いている人】
- 国際的な環境で学びたい人
- 自由で開放的な校風を好む人
- 自主性があり、自己管理ができる人
- 多様な価値観を受け入れられる人
- 英語力を伸ばしたい人
- 海外大学進学も視野に入れている人
【こんな人には向かないかも】
- 厳しく管理されたい人
- 画一的な指導を求める人
- 英語や国際交流に全く興味がない人
- 都会的な立地を希望する人
公文国際学園高等部は、「自分で考え、自分で学ぶ」という理念のもと、生徒一人ひとりの個性を大切にする学校です。自由には責任が伴いますが、その分大きく成長できる環境があります。
学費は決して安くはありませんが、国際教育の充実、多様な価値観に触れられる環境、そして自主性を育む校風を考えれば、十分に価値のある投資だと言えるでしょう。
最終的な判断は、必ず学校見学や説明会に参加して、自分の目で確かめてください。校舎の雰囲気、生徒たちの表情、先生方の話し方など、実際に訪れないと分からないことがたくさんあります。
あなたの高校選びが、充実した3年間につながることを心から願っています。公文国際学園高等部で、あなたらしい高校生活を送れることを期待しています!
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