神奈川県横浜市にある日本大学高等学校は、日本大学の附属校として70年以上の歴史を持つ私立高校です。「自主創造」の教育理念のもと、多様な進路選択が可能な環境が整っています。
この記事では、日本大学高等学校への受験を検討している中学生と保護者の方に向けて、偏差値や入試情報、学費、進学実績、リアルな学校生活の様子まで、公式サイトだけでは分からない情報を徹底解説します。
「内部進学と他大学受験、どちらが有利?」「実際の学費総額は?」「校風は自由?それとも厳しい?」といった疑問にも、在校生や卒業生の生の声を交えてお答えします。
日本大学高等学校の基本情報
日本大学高等学校は、神奈川県横浜市港北区に位置する日本大学の附属高校です。1930年に日本大学第四中学校として創立され、戦後の学制改革を経て現在の形になりました。「自主創造」という教育理念のもと、自ら考え、創造し、行動できる人材の育成を目指しています。ここでは、通学アクセスや偏差値、学校の特色など、受験校選びに欠かせない基本情報を詳しくご紹介します。
学校概要とアクセス
日本大学高等学校は、東急東横線「日吉駅」から徒歩12分という好立地にあります。横浜市営地下鉄グリーンライン「日吉本町駅」からも徒歩10分程度でアクセス可能です。渋谷方面からも東横線一本で通学できるため、東京都内や神奈川県の広範囲から通学している生徒が多いのが特徴です。
学校の規模は、全校生徒約1,200名、各学年10クラス程度の中規模校です。男女共学で、男女比はおおよそ6:4と男子がやや多い構成になっています。敷地面積は約50,000平方メートルと広大で、緑豊かなキャンパスには体育館、グラウンド、テニスコート、図書館、食堂などの施設が充実しています。
建学の精神である「自主創造」は、日本大学全体で掲げられている理念で、自ら学び、自ら考え、自ら道をひらくことを重視しています。この理念に基づき、生徒の主体性を尊重した教育活動が展開されており、部活動や学校行事でも生徒主体の運営が行われています。
偏差値と入試難易度
日本大学高等学校の偏差値は、男子が63〜65、女子が65〜67程度とされています(2025年度入試データより)。首都圏の私立高校の中では中堅上位から上位層に位置し、MARCHレベルの附属高校と同等かやや下という位置づけです。
具体的には、法政大学第二高等学校(偏差値68〜70)よりは若干易しく、中央大学附属横浜高等学校(偏差値66〜68)と同程度の難易度です。日東駒専レベルの附属高校の中では最上位に位置しており、確実に大学附属に進学したい層と、MARCHレベルを目指す層の併願校として人気があります。
過去3年間の偏差値推移を見ると、ほぼ横ばいで安定しています。2023年度から2025年度にかけて±1程度の変動はあるものの、大きな難易度の変化はありません。これは、日本大学への内部進学という安定した進路が確保されている点が評価されており、一定の人気を保っているためと考えられます。
【在校生の声】
「偏差値的には届くか届かないかのラインでしたが、日大への推薦があることと、施設が綺麗なのが決め手でした。入学後も勉強についていけないということはなく、ちょうど良いレベルだと感じています」(2年生・男子)
学校の特色と強み
日本大学高等学校の最大の特色は、日本大学への内部進学制度が確立されている点です。一定の成績基準を満たせば、日本大学の16学部から希望する学部に進学できる道が開かれています。特に医学部や歯学部などの難関学部以外であれば、比較的スムーズに進学できるのが大きなメリットです。
教育カリキュラムでは、1年次は共通カリキュラム、2年次から文系・理系に分かれ、3年次にはさらに細かいコース選択が可能です。内部進学を目指す生徒向けのカリキュラムと、他大学受験を目指す生徒向けのカリキュラムが用意されており、多様な進路希望に対応しています。特に英語教育に力を入れており、ネイティブ教員による授業や海外研修プログラムも充実しています。
施設面では、2015年に新校舎が完成し、冷暖房完備の明るく清潔な教室、最新のICT設備を備えた教室、蔵書数5万冊を超える図書館などが整備されています。また、人工芝のグラウンドや全天候型テニスコート、トレーニングルームなど、スポーツ施設も充実しており、部活動にも最適な環境が整っています。
【保護者の声】
「学校見学に行った際、施設の充実度に驚きました。私立ならではの環境だと思います。また、先生方が熱心で、進路指導も丁寧だという印象を受けました」(1年生保護者)
入試制度と合格のための対策
受験を成功させるには、入試制度を正確に理解し、自分に合った受験方式を選択することが重要です。日本大学高等学校には推薦入試と一般入試があり、それぞれ求められる基準や試験内容が異なります。ここでは、最新の入試データをもとに、合格に必要な対策を具体的に解説していきます。
募集人員と入試方式
日本大学高等学校の入試は、推薦入試と一般入試の2つの方式があります。
推薦入試は、募集人員が約180名で、以下の基準を満たす必要があります。
- 9科内申点が38以上(5段階評価×9科目=45点満点)
- 3年間の欠席日数が15日以内
- 中学校長の推薦が得られること
試験内容は、書類選考、作文(50分・600字程度)、面接(個人・約10分)です。作文のテーマは「将来の夢」や「高校生活で挑戦したいこと」など、自己表現を求めるものが多く出題されます。面接では志望動機や中学校での活動、日本大学についての理解などが問われます。
一般入試は、募集人員が約120名です。試験科目は国語・数学・英語の3科目(各50分・100点満点)で、マークシート方式と記述式の併用です。理科・社会は試験科目に含まれません。
また、併願優遇制度も設けられており、内申基準(9科36以上)を満たせば、他の公立高校や私立高校との併願が可能です。併願優遇を利用すれば、一般入試よりも合格ラインが若干低くなる傾向があります。
最新の倍率と合格最低点
過去3年間の入試倍率は以下の通りです。
| 年度 | 推薦入試倍率 | 一般入試倍率 |
|---|---|---|
| 2023年度 | 1.2倍 | 2.3倍 |
| 2024年度 | 1.3倍 | 2.5倍 |
| 2025年度 | 1.4倍 | 2.6倍 |
推薦入試は倍率が1.2〜1.4倍と比較的低く、基準を満たしていればほぼ合格できる状況です。ただし、作文や面接での評価が低いと不合格になるケースもあるため、油断は禁物です。
一般入試は実質倍率が2.3〜2.6倍程度で、約半数が不合格になる計算です。合格最低点は年度によって変動しますが、300点満点中200点前後(正答率67%程度)が目安とされています。2025年度入試では、合格最低点が205点だったという情報があります。
併願優遇を利用した場合、合格最低点は一般入試より10〜15点程度低くなる傾向があります。内申基準を満たしている受験生は、積極的に併願優遇制度を活用することをおすすめします。
【合格者の声】
「一般入試で受験しました。数学が難しく、自己採点では7割程度でしたが無事合格できました。英語でしっかり得点できたのが良かったと思います」(1年生・女子)
教科別対策のポイント
英語は、長文読解2題、文法・語彙問題、英作文という構成が定番です。長文は500〜700語程度で、標準的な公立高校入試よりやや長めです。内容理解を問う選択問題が中心ですが、要約や説明を求める記述問題も出題されます。
対策としては、中学レベルの文法を完璧にし、速読練習を積むことが重要です。おすすめの参考書は、『全国高校入試問題正解 英語』や『ハイパー英語教室 中学英語長文』などです。英作文は10語〜30語程度の短文が多いため、基本的な構文を使いこなせるようにしておきましょう。
数学は、大問5〜6題で、計算問題、関数、図形、確率などがバランスよく出題されます。難易度は標準的ですが、図形の証明問題や関数の応用問題で差がつきます。特に、相似や三平方の定理を用いた図形問題は頻出です。
対策には、『最高水準問題集 数学』や『塾で教える高校入試数学 塾技100』などで応用問題に慣れることが有効です。計算ミスを防ぐため、途中式を丁寧に書く習慣をつけましょう。
国語は、現代文2題(論説文・小説文)、古文1題、漢字・文法という構成です。記述問題の配点が高く、80字程度の記述が2〜3問出題されます。小説では心情理解、論説文では要旨把握が中心です。
古文は基礎的なレベルで、歴史的仮名遣いと基本的な古語の意味がわかれば対応できます。対策としては、過去問演習を繰り返し、記述問題の解答パターンを身につけることが重要です。『出口式 中学国語 新レベル別問題集』などで記述力を磨きましょう。
おすすめの併願校パターン
日本大学高等学校を受験する際の併願校として、以下のパターンが一般的です。
パターン1:チャレンジ型
- 第一志望:法政大学第二高等学校(偏差値68〜70)
- 実力相応校:日本大学高等学校(偏差値63〜67)
- 安全校:横浜創英高等学校(偏差値58〜62)
パターン2:安定型
- 第一志望:日本大学高等学校(偏差値63〜67)
- 実力相応校:桐蔭学園高等学校プログレス(偏差値62〜64)
- 安全校:日本大学藤沢高等学校(偏差値58〜60)
パターン3:公立併願型
- 第一志望:県立横浜翠嵐高等学校
- 私立併願優遇:日本大学高等学校
- 安全校:日本大学藤沢高等学校
このように、偏差値の異なる3校程度を受験するのが一般的です。日本大学高等学校は、MARCHレベルを目指す受験生の実力相応校、または確実に附属高校に進学したい受験生の第一志望校として機能しています。
学費と諸費用の詳細
私立高校への進学を考える際、学費は保護者にとって最も気になるポイントの一つです。日本大学高等学校の学費は私立高校の中では標準的な水準ですが、3年間でどれくらいの総額になるのか、奨学金制度は利用できるのかなど、具体的な金額を把握しておくことが大切です。ここでは、入学から卒業までにかかる費用を詳しく解説します。
初年度納入金の内訳
2025年度の初年度納入金は以下の通りです。
| 項目 | 金額 |
|---|---|
| 入学金 | 250,000円 |
| 授業料(年額) | 456,000円 |
| 施設設備費 | 180,000円 |
| 教育充実費 | 120,000円 |
| 生徒会費・PTA会費 | 24,000円 |
| 合計 | 1,030,000円 |
初年度は入学金が加わるため、約103万円が必要です。2年次以降は入学金がなくなるため、年間約78万円となります。
これに加えて、制服代(男子約8万円、女子約10万円)、教科書・副教材費(約5万円)、体操着・上履き(約3万円)などが必要です。入学時には合計で約120万円程度を見込んでおくとよいでしょう。
また、授業料については国の就学支援金制度が適用されます。世帯年収約590万円未満の家庭では年額396,000円、約910万円未満の家庭では年額118,800円が支給され、実質的な負担が軽減されます。
3年間の総額シミュレーション
3年間でかかる学費の総額をシミュレーションしてみましょう。
基本学費
- 1年次:1,030,000円
- 2年次:780,000円
- 3年次:780,000円
- 小計:2,590,000円
その他の費用
- 制服・体操着等:約110,000円
- 教科書・副教材(3年分):約150,000円
- 修学旅行(2年次・沖縄):約150,000円
- 研修旅行・校外学習:約80,000円
- 部活動費用(運動部の場合):約200,000円〜300,000円
- 通学定期代(3年分・横浜駅から):約450,000円
- 小計:約1,140,000円〜1,240,000円
3年間総額:約370万円〜380万円
これは標準的なケースであり、部活動の種類(合宿や遠征の有無)、通学距離、塾や予備校の利用状況によって変動します。特に、他大学受験を目指す場合は塾・予備校費用が年間50万円〜100万円程度追加でかかることも考慮が必要です。
【保護者の声】
「入学前に想定していた金額とほぼ同じでした。ただ、部活動の遠征費や合宿費は別途かかるので、運動部に入る場合は余裕を持った資金計画が必要です」(2年生保護者)
奨学金制度と学費サポート
日本大学高等学校では、複数の奨学金制度が用意されています。
校内奨学金
- 成績優秀者特待生制度:入試成績上位者に対し、初年度授業料の全額または半額免除
- 在学生特待生制度:2年次以降、成績優秀者に対し授業料の一部免除
- 経済的困窮者への授業料減免制度
日本大学の奨学金
- 日本大学創立130周年記念奨学金:年額24万円(返済不要)
- 日本大学校友会奨学金:年額20万円(返済不要)
これらの奨学金は、学業成績や家庭の経済状況を総合的に判断して給付されます。特に成績優秀者特待生制度は、入試で上位5%以内に入れば対象となるため、受験勉強を頑張る大きなモチベーションになります。
また、神奈川県や横浜市にも私立高校生向けの授業料補助制度があります。神奈川県私立高等学校等生徒学費補助金は、世帯年収に応じて年額最大456,000円まで補助されます。国の就学支援金と併用すれば、実質的な授業料負担がゼロになるケースもあります。
他の附属高校との学費比較
首都圏の主要な大学附属高校と学費を比較してみましょう。
| 学校名 | 初年度納入金 | 3年間総額(概算) |
|---|---|---|
| 日本大学高等学校 | 約103万円 | 約370万円 |
| 法政大学第二高等学校 | 約115万円 | 約400万円 |
| 中央大学附属横浜高等学校 | 約120万円 | 約420万円 |
| 日本大学藤沢高等学校 | 約95万円 | 約350万円 |
| 専修大学附属高等学校 | 約98万円 | 約360万円 |
日本大学高等学校の学費は、MARCHレベルの附属高校よりは安く、日東駒専レベルの中では標準的な水準です。施設の充実度や立地を考えると、コストパフォーマンスは良好と言えるでしょう。
リアルな学校生活と校風
偏差値や学費といった数字だけでは、学校の本当の姿は見えてきません。毎日通う学校がどんな雰囲気なのか、生徒たちはどんな生活を送っているのか、リアルな情報こそが学校選びの決め手になります。ここでは、在校生や卒業生の声をもとに、日本大学高等学校の日常をできるだけ具体的にお伝えします。
1日のスケジュールと授業
日本大学高等学校の登校時刻は8時30分、1時限目が8時40分から始まります。1コマ50分授業で、午前中に4時限、午後に2時限の1日6時限制です。下校時刻は15時30分頃で、その後は部活動や自習に時間を使う生徒が多くいます。
授業の雰囲気は、真面目だけど堅苦しすぎないという声が多く聞かれます。先生と生徒の距離が近く、質問しやすい環境が整っています。特に英語や数学では習熟度別クラス編成が行われており、自分のレベルに合った授業を受けられるのが特徴です。
定期テストは年4回(各学期末+学年末)実施され、試験範囲は比較的広めです。平均点は科目によりますが、60点前後に設定されることが多く、内部進学を希望する場合は平均して70点以上、評定平均4.0以上を維持することが推奨されます。
授業の進度については、内部進学組と他大学受験組で若干異なります。内部進学を前提としたクラスでは教科書レベルをしっかり定着させる方針ですが、他大受験を目指すクラスでは応用問題や大学入試レベルの内容も扱います。
【在校生の声】
「授業は分かりやすくて、先生に質問すると丁寧に教えてくれます。テストは普通に勉強していれば平均点は取れるレベルです」(2年生・男子)
校則の実態
日本大学高等学校の校則は、私立高校としては標準的な厳しさです。極端に厳しいわけではありませんが、公立高校に比べると細かいルールがあります。
服装・髪型
- 制服の着用は必須(スカート丈は膝上5cm以内)
- 髪染め、パーマは禁止
- 男子の髪の長さは耳にかからない程度
- ピアス、化粧は禁止
スマホ・SNS
- スマホの持ち込みは許可制(申請が必要)
- 校内では電源OFF、使用禁止(昼休みの使用も不可)
- SNSでの不適切な投稿は指導対象
その他
- アルバイトは原則禁止(長期休暇中のみ、届出制で許可される場合あり)
- 通学路での買い食い禁止
- 交際は禁止されていないが、校内での過度な接触は注意される
実際の運用としては、服装検査は月1回程度行われ、違反があれば指導が入ります。ただし、一度注意されて改善すれば大きな問題にはなりません。スマホについては厳しく、校内で使用しているところを見つかると預かり指導(保護者呼び出し)になることもあります。
【在校生の声】
「校則は思ったより厳しくないです。普通にしていれば問題ありません。スマホだけは本当に厳しいので、電源を切り忘れないように注意しています」(3年生・女子)
年間行事とイベント
日本大学高等学校の年間行事は、生徒主体で盛り上がるものが多く、学校生活の楽しみの一つとなっています。
主な行事
- 4月:新入生歓迎会、遠足
- 6月:体育祭
- 9月:桜苑祭(文化祭・2日間)
- 11月:芸術鑑賞会
- 12月:修学旅行(2年生・沖縄)
- 3月:球技大会、卒業式
特に盛り上がるのが体育祭と桜苑祭(文化祭)です。体育祭は、赤・青・黄の3つの団に分かれて得点を競い合い、応援合戦や装飾も含めて生徒たちが企画・運営します。桜苑祭は、各クラスが模擬店や展示、ステージ発表などを行い、毎年約3,000人の来場者が訪れる大規模なイベントです。
修学旅行は2年生の12月に沖縄へ4泊5日で実施されます。平和学習(ひめゆりの塔、平和祈念公園)に加え、マリンスポーツや美ら海水族館見学など、沖縄の自然と文化を満喫できる内容です。班別自由行動もあり、生徒同士の絆が深まる貴重な機会となっています。
【卒業生の声】
「桜苑祭の準備期間はクラス全体が一つになって、本当に楽しかったです。高校生活で一番の思い出です」(卒業生)
部活動の実績と雰囲気
日本大学高等学校の部活動加入率は約80%と高く、多くの生徒が何らかの部活動に所属しています。運動部21、文化部18の計39の部活動があり、選択肢は豊富です。
強豪部活動
- 硬式野球部:神奈川県大会ベスト8の実績、練習は週6日
- サッカー部:県リーグ2部所属、練習は週5〜6日
- 陸上競技部:県大会入賞者多数、インターハイ出場経験あり
- 吹奏楽部:県大会金賞、定期演奏会を毎年開催
- ダンス部:全国大会出場経験あり
運動部の活動時間は、平日が放課後2〜3時間、土日は半日または1日練習が基本です。強豪部活は朝練習もありますが、勉強との両立を重視する方針のため、テスト1週間前は部活動停止期間が設けられています。
文化部は比較的ゆるやかで、週2〜3日、活動時間も1〜2時間程度の部が多いです。兼部も可能で、文化部と運動部を掛け持ちしている生徒もいます。
【在校生の声】
「サッカー部に所属していますが、顧問の先生が勉強も大事にしてくれるので、両立できています。テスト前は部活が休みになるのでありがたいです」(2年生・男子)
生徒の雰囲気と人間関係
日本大学高等学校の生徒は、真面目で穏やか、コミュニケーション能力が高い生徒が多いという特徴があります。派手すぎず地味すぎず、バランスの取れた雰囲気です。
男女比は6:4程度で男子がやや多いですが、男女の仲は良好です。クラスや部活動を通じて自然に友人関係が築かれ、グループに分かれすぎず、クラス全体が仲良い雰囲気があります。
いじめについては、学校側がアンケート調査や個別面談を定期的に実施し、早期発見・早期対応に努めています。万が一いじめが発覚した場合は、保護者を交えた話し合いや、場合によってはカウンセラーの介入など、組織的な対応が取られます。
恋愛については禁止されていませんが、校内での過度な接触は注意されることがあります。それでもカップルは一定数存在し、節度を守って交際している分には特に問題視されません。進学校というよりは附属校の雰囲気があり、恋愛も含めた高校生活を楽しむ生徒が多いようです。
【保護者の声】
「穏やかで優しい子が多く、保護者としても安心して通わせられる環境です。学校の対応も丁寧で、何かあればすぐに連絡をくれます」(3年生保護者)
進学実績と進路指導
高校選びにおいて、卒業後の進路は最も重要な判断材料の一つです。日本大学高等学校は附属校として日本大学への内部進学が大きな特徴ですが、他大学を受験する生徒も一定数います。ここでは、具体的な進学データと進路指導の実態を詳しく見ていきましょう。
日本大学への内部進学
日本大学高等学校からの内部進学率は約60〜65%です。つまり、卒業生の3分の2近くが日本大学に進学しています。
学部別進学者数(2024年度卒業生・約400名)
- 法学部:約50名
- 経済学部:約45名
- 商学部:約40名
- 理工学部:約35名
- 文理学部:約30名
- 生産工学部:約25名
- その他の学部:約75名
内部進学の基準は、3年間の評定平均が3.5以上、出席率90%以上が最低ラインです。希望する学部に進学するには、より高い成績が必要で、特に人気の高い法学部や経済学部は評定平均4.2以上、理工学部は4.0以上が目安とされています。
医学部や歯学部、薬学部などの難関学部への内部進学も可能ですが、評定平均4.5以上、かつ学部が実施する選考試験に合格する必要があります。毎年数名が医学部・歯学部に内部進学していますが、競争は厳しいのが実態です。
内部進学の最大のメリットは、大学受験のプレッシャーから解放され、高校生活を充実させられることです。部活動に打ち込んだり、留学プログラムに参加したり、自分のやりたいことに時間を使えます。また、大学入学後も附属校出身者同士のネットワークがあり、スムーズに大学生活に適応できます。
一方で、希望する学部に入れない可能性や、他大学受験の機会を逃すリスクもあります。1年次から継続して良い成績を維持する必要があるため、計画的な学習習慣が求められます。
【卒業生の声】
「経済学部に内部進学しました。高3の秋頃に進路が確定したので、残りの高校生活を部活や友人との時間に使えたのが良かったです」(卒業生・大学2年)
他大学受験の実績
約35〜40%の生徒は、日本大学以外の大学を受験します。2024年度の主な合格実績は以下の通りです。
国公立大学
- 横浜国立大学:2名
- 首都大学東京:1名
- 埼玉大学:3名
- その他:5名
私立大学(延べ人数)
- 早稲田大学:8名
- 慶應義塾大学:3名
- 上智大学:5名
- 東京理科大学:12名
- 明治大学:25名
- 青山学院大学:18名
- 立教大学:15名
- 中央大学:20名
- 法政大学:28名
- 学習院大学:10名
他大学受験者の中には、GMARCHレベル以上に合格する生徒が一定数います。ただし、日本大学の附属校という性質上、進学校と比べると他大受験のサポート体制は限定的です。
他大学受験を目指す生徒の多くは、予備校や塾に通っているのが実態です。学校の授業だけで難関大学に合格するのは難しく、河合塾や駿台予備学校、東進ハイスクールなどに通う生徒が多数います。
また、他大学受験を選択すると、日本大学への内部進学権は基本的に放棄する必要があります(一部の学部では併願可能な制度もあります)。そのため、他大受験を選ぶ際は、浪人のリスクも含めて慎重に判断する必要があります。
【卒業生の声】
「最初は内部進学を考えていましたが、2年生の時に明治大学を目指すことに決めました。学校の先生も応援してくれましたが、勉強は予備校中心でした。結果的に明治大学に合格できて良かったです」(卒業生・大学1年)
進路指導の手厚さ
日本大学高等学校の進路指導は、内部進学希望者へのサポートが中心です。
進路指導の主な内容
- 1年次:進路ガイダンス、日本大学各学部の説明会
- 2年次:学部見学ツアー、模擬授業体験
- 3年次:個別面談(月1回程度)、小論文指導、面接練習
特に3年次には、進路指導部の先生と定期的に面談を行い、希望学部への進学可能性や成績向上のアドバイスを受けられます。また、日本大学の各学部から直接説明を受ける機会も多く、学部選びの参考になります。
一方、他大学受験希望者への指導は、基本的な情報提供と励ましが中心です。受験対策の具体的な指導は限定的で、多くの生徒が予備校や塾を併用しています。ただし、推薦入試や総合型選抜を目指す生徒には、小論文指導や面接練習のサポートがあります。
進路指導室には過去の入試データや大学案内が豊富に揃っており、自由に閲覧できます。また、進路相談は随時受け付けており、悩みがあればいつでも相談できる環境です。
卒業後の進路選択パターン
日本大学高等学校の卒業生は、大きく分けて以下の3つのパターンに分かれます。
パターン1:内部進学満足型(約50%)
早い段階から内部進学を決め、日本大学で充実した学生生活を送っている層です。「日大で十分」「附属校のメリットを活かしたい」という考えの生徒が多く、高校時代は部活動や学校行事に積極的に参加しています。
パターン2:他大受験成功型(約25%)
高い目標を持って他大学受験に挑戦し、GMARCHレベル以上に合格した層です。計画的に勉強を進め、予備校も活用して志望校合格を果たしています。
パターン3:他大受験失敗→浪人・日大型(約10%)
他大学受験に挑戦したものの、不合格となり浪人するか、日本大学に進学する層です。内部進学権を放棄した場合は浪人を選ぶ生徒が多いですが、併願制度がある学部を受けていた場合は日本大学に進学します。
その他(約15%)
専門学校進学、就職、留学など、大学以外の進路を選ぶ層です。
【保護者の声】
「子どもは内部進学を選びましたが、進路指導の先生が親身になって相談に乗ってくれました。学部選びで迷っていた時も、何度も面談してくれて助かりました」(卒業生保護者)
ライバル校との比較
同じ偏差値帯や附属校という特徴を持つライバル校と比較することで、日本大学高等学校の立ち位置がより明確になります。ここでは、神奈川県内の主要な私立高校3校と、偏差値・学費・進学実績・校風の4つの観点から比較していきます。
法政大学第二高等学校との比較
偏差値・難易度
法政大学第二高等学校は偏差値68〜70で、日本大学高等学校より約5ポイント高いです。入試倍率も3倍前後と高く、神奈川県内のMARCH附属校の中でも人気があります。
学費
初年度納入金は約115万円、3年間総額は約400万円で、日本大学高等学校より約30万円高い設定です。
内部進学率
約85%と非常に高く、ほとんどの生徒が法政大学に進学します。法学部、経済学部、グローバル教養学部などの人気学部への進学者が多いのが特徴です。
校風の違い
法政二高は自由な校風で知られ、校則も比較的緩やかです。生徒の自主性を重んじる教育方針で、のびのびとした雰囲気があります。一方、日本大学高等学校はやや規律を重視する傾向があります。
まとめ
法政二高は偏差値・大学のブランド力ともに日大高校を上回りますが、その分入試難易度も高く、学費も高めです。より自由な校風を求める生徒には法政二高、しっかりした指導を求める生徒には日大高校が向いています。
中央大学附属横浜高等学校との比較
偏差値・難易度
中央大学附属横浜高等学校は偏差値66〜68で、日本大学高等学校とほぼ同レベルです。立地は港南台で、日大高校の日吉よりやや都心から離れています。
学費
初年度納入金は約120万円、3年間総額は約420万円と、MARCH附属校の中では高めの設定です。
内部進学率
約80%で、中央大学の法学部、経済学部、商学部などに進学します。特に法学部の定員が多く、法律系を学びたい生徒には魅力的です。
校風の違い
中大附属横浜は文武両道を重視し、部活動が盛んです。特にラグビー部や野球部などの運動部が強豪として知られています。学習面でも他大学受験のサポートが手厚く、バランスの取れた教育が特徴です。
まとめ
偏差値は同程度ですが、中大附属横浜の方が大学のブランド力、特に法学部への進学を考えるとやや有利です。ただし学費は高く、立地も考慮する必要があります。日大高校は都心へのアクセスが良く、学費も抑えめです。
桐蔭学園高等学校との比較
偏差値・難易度
桐蔭学園はプログレスコースが偏差値62〜64、アドバンスコースが65〜67で、コースによって日大高校と同程度または若干上です。
学費
初年度納入金は約110万円、3年間総額は約390万円で、日大高校より若干高めです。
進学実績
桐蔭学園は進学校として、国公立大学や早慶上理への合格者が多いのが特徴です。2024年度は東京大学3名、京都大学2名、早慶上理100名以上など、難関大学への実績が豊富です。内部進学制度はなく、全員が大学受験に臨みます。
校風の違い
桐蔭学園は進学実績重視で、勉強に力を入れる雰囲気があります。補習や課題も多く、大学受験を見据えた指導が徹底されています。一方、日大高校は附属校として比較的ゆとりがあり、部活動や学校行事も楽しめます。
まとめ
桐蔭学園は難関大学を目指す進学校、日大高校は附属校としての安定した進路が魅力です。受験勉強にしっかり取り組みたいなら桐蔭学園、大学受験のプレッシャーを避けたいなら日大高校が適しています。
結局どの学校を選ぶべき?
各校の特徴を踏まえて、タイプ別のおすすめをまとめます。
日本大学高等学校がおすすめの人
- 大学附属のメリットを活かしたい
- 日本大学で学びたい学部がある
- 都心へのアクセスを重視する
- 学費を抑えたい
- バランスの取れた高校生活を送りたい
法政二高・中大附属横浜がおすすめの人
- MARCHレベルの大学に確実に進学したい
- 偏差値でワンランク上を目指したい
- 自由な校風(法政二高)または文武両道(中大附属横浜)を求める
桐蔭学園がおすすめの人
- 国公立大学や早慶上理を目指したい
- 勉強中心の高校生活を送りたい
- 進学実績を重視する
最終的には、自分の学力、経済状況、将来の目標を総合的に判断して決めることが大切です。必ず複数校の学校見学に参加し、実際の雰囲気を確かめることをおすすめします。
受験生・保護者からのよくある質問
ここでは、学校説明会や個別相談でよく寄せられる質問について、具体的にお答えします。受験を検討する際の参考にしてください。
Q1: 内部進学と他大受験、どちらが有利?
A: 一概には言えませんが、日本大学で満足できるなら内部進学が有利です。
内部進学のメリットは、大学受験のストレスがなく、高校生活を充実させられることです。また、日本大学は16学部を擁する総合大学で、ほぼすべての学問分野をカバーしています。特に法学部、経済学部、理工学部などは就職実績も良好です。
一方、GMARCHレベル以上を目指すなら他大受験も選択肢です。ただし、学校のサポートは限定的で、予備校との併用が必要になります。また、内部進学権を放棄するリスクも考慮しなければなりません。
判断のポイントは、「日本大学に行きたい学部があるか」「他大学でなければならない理由があるか」です。明確な目標がない場合は、内部進学を基本に考え、高校生活の中で進路を見極めていくのが現実的でしょう。
Q2: 推薦入試と一般入試、どちらを選ぶべき?
A: 内申基準を満たしているなら、推薦入試の方が有利です。
推薦入試は倍率が1.2〜1.4倍と低く、基準を満たしていればほぼ合格できます。作文と面接の対策をしっかり行えば、合格の可能性は高いでしょう。
一般入試は倍率が2.5倍前後で、当日の試験結果次第です。実力がある受験生には公平ですが、緊張やケアレスミスで実力を発揮できないリスクもあります。
ただし、推薦入試は専願(合格したら必ず入学)が条件の場合が多いため、第一志望でない場合は一般入試を選ぶべきです。また、内申が基準に届かない場合は、一般入試で挽回するしかありません。
Q3: 通学時間はどれくらいまで許容範囲?
A: 片道1時間〜1時間15分程度が目安です。
日本大学高等学校は東急東横線の日吉駅から徒歩12分です。渋谷から約25分、横浜から約15分とアクセスは良好です。東京都内や神奈川県内の広い範囲から通学可能です。
通学時間が長すぎると、朝練習のある部活動に参加しづらかったり、睡眠時間が削られたりします。実際に通学ルートを確認し、無理のない範囲かどうか判断しましょう。
Q4: 塾に通わずに合格できる?
A: 内申点が基準に達していれば可能ですが、一般入試なら塾通いを推奨します。
推薦入試は内申点が重視されるため、中学校の定期テストでしっかり点数を取ることが最優先です。学校の授業を真面目に受け、提出物を期限内に出し、授業態度も良好であれば、塾なしでも内申は確保できます。
一般入試の場合、過去問演習や応用問題への対策が必要です。自学自習が得意な生徒なら可能ですが、多くの受験生は塾や通信教育を利用しています。栄光ゼミナール、STEP、臨海セミナーなどの地域密着型の塾が人気です。
Q5: 入学後に塾は必要?
A: 内部進学希望なら基本的に不要、他大受験なら必須です。
内部進学を目指す場合、学校の授業をしっかり受け、定期テストで良い点を取ることが最重要です。学校の授業レベルで十分対応できるため、塾は不要でしょう。ただし、苦手科目がある場合は個別指導塾などで補強するのも一つの方法です。
他大学受験を目指す場合、高2から予備校に通う生徒が多いです。河合塾、駿台予備学校、東進ハイスクールなどの大手予備校が人気です。特に難関大学を目指すなら、予備校は必須と考えてください。
Q6: 学校の雰囲気は見学でわかる?
A: はい、必ず見学に行くべきです。
学校説明会や文化祭、個別見学会に参加して、実際の生徒の様子や校舎の雰囲気を確認しましょう。在校生と話す機会があれば、率直な意見を聞いてみてください。
特に桜苑祭(文化祭)は、生徒たちの素の姿が見られる貴重な機会です。9月に開催されるので、受験前に必ず訪れることをおすすめします。
Q7: 保護者の負担(PTA活動など)はどの程度?
A: 年数回の委員会参加程度で、負担は軽めです。
PTA活動は、クラス委員や専門委員に選ばれた場合、年3〜4回程度の会議や行事の手伝いがあります。ただし、強制参加ではなく、仕事の都合で参加できない場合は代理や欠席も認められます。
寄付金の強制もなく、保護者の経済的・時間的負担は私立高校の中では標準的と言えます。
まとめ:日本大学高等学校はこんな人におすすめ
ここまで、日本大学高等学校について詳しく解説してきました。最後に、この学校がどんな生徒に向いているのか、改めて整理します。
日本大学高等学校はこんな人におすすめ
- 日本大学への進学を視野に入れている人
日大の16学部から選べる選択肢の広さは大きな魅力です。法学部、経済学部、理工学部など、自分の興味に合った学部を見つけられるでしょう。 - 大学受験のプレッシャーを避けたい人
内部進学制度を利用すれば、高3の秋頃には進路が確定します。残りの高校生活を部活動や趣味、友人との時間に使えます。 - バランスの取れた学校生活を送りたい人
勉強一辺倒でもなく、遊びすぎでもない、ちょうど良いバランスが保たれています。真面目に過ごしつつ、青春も謳歌したい生徒に最適です。 - 都心へのアクセスを重視する人
東急東横線の日吉駅から徒歩圏内で、渋谷・横浜へのアクセスが抜群です。通学の利便性は大きなメリットです。 - 学費を抑えつつ、質の高い教育を受けたい人
MARCHレベルの附属校より学費が安く、施設も充実しています。コストパフォーマンスは良好です。
最終的な判断のポイント
学校選びで最も大切なのは、自分がそこで3年間楽しく過ごせるかです。偏差値や進学実績だけでなく、校風や雰囲気が自分に合っているかを確認しましょう。
必ず学校説明会、文化祭、個別相談会に参加し、実際の学校の様子を自分の目で見てください。在校生と話す機会があれば、リアルな声を聞いてみましょう。
日本大学高等学校は、日本大学という確かな進路を確保しながら、充実した高校生活を送れる学校です。附属校のメリットを最大限に活かし、自分らしい3年間を過ごしてください。
皆さんの受験がうまくいくことを心から願っています。頑張ってください!
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